検査の限界
保険の検査には1点法や4点法や6点法などが存在しています。これはどういう方法かいうと、例えば1点法は、1本の歯の周りの歯ぐきの溝の中で深い部位だけ1点のみを記録しているということです。
もし仮に28本歯がある人であれば、1点法で検査をすれば28本の深い部位のみの記録なので28部位の記録しか残りません。
全ての金額は税込となっております。
(2021年4月現在)
※治療費は変更になることがあります。
60分歯周病無料相談 | 0円 |
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診断用資料採得: 詳細なポケット検査、 全顎X線写真撮影、 パノラマX線写真撮影、 歯周炎リスク検査、 むし歯リスク検査、 スタディモデル採得 (必要に応じて)、 CBCT撮影 (必要に応じて) などを含む |
27,500円 ~ |
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遊離歯肉移植術 | 130,000円~ |
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歯周組織再生療法 | 130,000円~ |
歯冠延長術 | 100,000円~ |
審美歯冠延長術 | 160,000円~ |
根面被覆術 (結合組織移植術) |
130,000円~ |
FMD (フルマウス ディスインフェクション) |
60,000円~ |
インプラント | 埋入処置 220,000円~ (上部構造 含まない) |
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骨移植 | 80,000円~ |
サイナスリフト (クレスタルアプローチ) |
100,000円~ |
サイナスリフト (ラテラルウィンドウ) |
270,000円~ |
垂直的骨造成 | 270,000円~ |
インプラント 周囲炎治療 |
160,000円~ |
口腔衛生指導・ ステイン除去 |
6,380円 |
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初期治療 | 6,000円~ |
メインテナンス | 12,500円~ |
保険の検査には1点法や4点法や6点法などが存在しています。これはどういう方法かいうと、例えば1点法は、1本の歯の周りの歯ぐきの溝の中で深い部位だけ1点のみを記録しているということです。
もし仮に28本歯がある人であれば、1点法で検査をすれば28本の深い部位のみの記録なので28部位の記録しか残りません。
4点法であれば、112部位の記録が残り、6点法であれば、168部位の記録が残ります。どの方法がより有益で正確な情報でしょうか?また、6点法ではどのくらい検査に時間がかかるでしょうか?
さらに、歯周炎は部位特異性という特徴があり、歯の周りの歯ぐきの炎症や溝の深さは同じ1本の歯でもそれぞれの部位によって異なっています。つまり歯の周りを全周検査しないと部位特異性が把握できないということになります。
1点法で歯の周りの歯ぐきの炎症がどの程度把握できるでしょうか?
また、検査で重要なことは、歯周炎の炎症がどの程度改善したのかを同じ基準で長期的に比較することです。
しかしながら、保険の検査では、保険点数上必要がある場合だけ4点法・6点法などの検査を行なっているケースもあるようです。つまり、初回の検査は1点法で行い治療後は4点法・6点法で行うなどです。
これでどうやって複雑な病態を有する歯周炎の炎症状態を正確に比較していくのでしょうか?
また、最初の検査は長期的な歯周炎治療の成功を導くために非常に重要なことがわかっています。1点法の検査では、患者さんの歯ぐきの健康を維持・改善するための情報が少なすぎると考えます。
さらに、歯周炎は進行度によって非常に複雑な病態を呈していることも多々あるため、診断を行うための歯周組織検査・X線写真撮影・口腔内写真撮影やリスク検査などの資料採取に非常に時間がかかります。
安い保険点数で時間を十分にかけて学問的に適切な歯周組織検査を行うことが経営的に難しいという点も保険で行う検査の限界であると思われます。
我々は、歯周炎の炎症状態を学問的に適切に・可能な限り正確に把握するために6点法の歯周ポケット測定・歯ぐきの退縮量・クリニカルアタッチメントレベル測定を行い、さらに分岐部病変診査・歯の動揺度の測定・ブラッシング状態のチェック・歯ぐきの出血の有無などを毎回チェックしています。
歯周炎は生活習慣病なので、歯周炎治療を行なって患者さんの大切な歯を長期的に機能的に保存していくためには、患者さんに協力していただき生活習慣を改善していただく必要があります。
また、歯周炎治療は、重症度やリスクに沿った個人に合った治療を行なっていくことが非常に重要です。
しかしながら、保険の歯周炎治療ではリスクの高い患者さんの歯周治療とリスクの低い患者さんの治療が同じ保険点数であったり、歯周炎を適切に予防・治療するための知識・技術を有する専門医の治療と一般歯科医師(歯科衛生士)の治療に対する保険点数が同じであったりします。
治療の選択に関しても、学問的に成功を導く可能性がより高い治療方法も保険が使えないようなケースもあります。